ゴミ屋敷問題を通報する際、その効果を最大化するためには、単に「ゴミが多い」という漠然とした情報だけでなく、具体的かつ客観的な情報収集と記録が不可欠です。自治体が問題の深刻度を正確に把握し、適切な対応を検討するためには、住民が提供する詳細な情報が重要な判断材料となるからです。情報収集の最初のポイントは、問題の「客観化」です。主観的な感情を交えずに、事実をありのままに記録することが求められます。具体的には、以下の項目について、可能な限り詳細な情報を収集し、記録しておくことが有効です。まず、ゴミ屋敷の「具体的な場所」を特定します。正確な住所や、もし住所が不明な場合は、周辺の目印となる建物や場所を明確に伝えます。次に、「ゴミの状況」を詳しく記述します。ゴミの種類（生ゴミ、プラスチック、衣類、家電など）、量（家屋を埋め尽くしているか、敷地外に溢れているかなど）、散乱の範囲（庭全体、道路にはみ出しているかなど）、そしてゴミの高さなども記録しておくと良いでしょう。特に、悪臭の原因となる生ゴミや腐敗物の有無は重要な情報です。さらに、「発生している問題」を具体的に記録します。悪臭の頻度や時間帯、臭いの種類（腐敗臭、動物の糞尿臭など）、害虫の種類（ハエ、ゴキブリ、ネズミなど）や発生頻度、そして火災の危険性（可燃物が積まれている場所、たばこの吸い殻など）についても詳細に記録します。健康被害の懸念があれば、その旨も伝えます。情報記録のポイントとしては、「日時」を明確にすることです。いつ、どのような状況を目撃したのか、悪臭がしたのはいつかなど、具体的な日時を記録しておくことで、情報の信頼性が高まります。また、可能であれば「写真や動画」を撮影しておくことも非常に有効です。ただし、この際も、ゴミ屋敷の住人のプライバシーを侵害しないよう、公道などから撮影できる範囲に限定し、住人の顔が映り込まないように配慮することが重要です。自治体に提出する際には、これらの情報を時系列で整理し、簡潔にまとめた書面を作成すると、より伝わりやすくなります。