ゴミ屋敷の状態から脱出しようと決意した際、多くの人が直面する物理的な壁が、排出される膨大な不用品の運搬方法です。一般的な家庭の片付けであれば、自家用車や軽トラックでも事足りるかもしれませんが、いわゆるゴミ屋敷と呼ばれるレベルになると、その物量は想像を絶するものとなります。そこで、清掃業者や個人が最も頻繁に活用するのが二トントラックです。なぜ二トントラックがゴミ屋敷清掃のスタンダードとされているのか、その理由は積載能力と機動性の絶妙なバランスにあります。二トントラックの荷台は、平ボディタイプであっても畳約三畳分ほどの広さがあり、さらにパネルバンやハイマウントの囲いがあるタイプであれば、その容積は一般的なワンルームマンションの一室分をほぼカバーできるほどになります。ゴミ屋敷の住人の多くは、床が見えないほど物を溜め込んでいますが、それらを袋に詰め、圧縮し、隙間なく積み込んでいくと、驚くほど効率的に空間を埋めることができます。軽トラックであれば四回から五回往復しなければならない分量を、二トントラックであれば一度で運び出すことが可能です。この「一度で済む」という点は、心理的な負担軽減にも大きく寄与します。ゴミ屋敷の清掃は長期戦になると挫折しやすいため、目に見えて状況が改善するスピード感が重要なのです。また、二トントラックは住宅街の狭い路地にも侵入できる限界のサイズであり、都市部の密集した住宅地での作業にも適しています。ただし、二トントラック一台で収まる範囲は、床が見えない程度のワンルームから、物の密度が低い二ケー程度までと言われています。それ以上の広さや、天井までゴミが積み上がっているような深刻なケースでは、二トントラックを複数台用意するか、あるいは数日に分けてピストン輸送を行う計画が必要になります。車両を選ぶ際は、単に最大積載量を見るだけでなく、荷台の高さや形状がゴミの性質に適しているかを確認することが、効率的なゴミ屋敷脱出への近道となります。
ゴミ屋敷片付けに最適な車両の選び方