故人が亡くなり、その遺品を整理しようとした時、住んでいた家がゴミ屋敷状態だったという現実に直面することは、遺族にとって計り知れない衝撃と精神的負担をもたらします。通常の遺品整理だけでも大変な作業ですが、ゴミ屋敷となると、どこから手をつけて良いか途方に暮れてしまうでしょう。しかし、段階を踏んで冷静に進めることで、この困難な遺品整理を乗り越えることができます。 まず、最も重要なのは「安全の確保」です。ゴミの山の中には、腐敗物、カビ、害虫、時には鋭利な物などが隠れている可能性があります。また、足元が不安定なため、転倒のリスクも伴います。作業に取り掛かる前に、マスク、手袋、長袖長ズボンといった防護具を着用し、換気を十分に行いましょう。電気やガスなどのライフラインについても、安全が確認できない場合は、専門業者に確認を依頼することも検討してください。 次に、「全体の状況を把握し、写真で記録する」ことです。遺品整理に入る前に、部屋全体の状況を写真に撮っておきましょう。これは、作業の記録となるだけでなく、後々トラブルが発生した際の証拠としても役立ちます。そして、家の中を無理なく移動できる動線を確保することから始めます。玄関から各部屋への通路を確保することで、作業スペースが広がり、ゴミや遺品の搬出がスムーズになります。 具体的な遺品整理の進め方としては、「明らかにゴミとわかるもの」から処分していくのが鉄則です。賞味期限切れの食品、破損した日用品、大量の空き容器やチラシなど、故人の思い出とは関係なく、明らかに不要だと判断できるものから躊躇なく分別し、ゴミ袋に詰めていきましょう。この段階では、思い出の品や高価なものには触れず、ひたすら物理的なゴミを取り除くことに集中します。この作業だけでも、部屋の印象は大きく変わり、次のステップへのモチベーションに繋がるはずです。 最後に、「貴重品や重要書類の捜索」を行います。ゴミがある程度減り、作業スペースが確保できてから、故人の大切なもの(現金、通帳、印鑑、年金手帳、契約書など)を探し始めます。これらの品は、思わぬ場所から出てくることがあるため、丁寧に、そして慎重に探す必要があります。故人の家がゴミ屋敷だった場合の遺品整理は、時間と労力が必要な作業ですが、適切な順序で進めることで、必ず乗り越えることができるでしょう。