ゴミ屋敷の生ゴミが引き起こす深刻な脅威
ゴミ屋敷を構成する数あるゴミの中でも最も深刻で直接的な危険をもたらすのが「生ゴミ」です。長期間放置された食べ残しの弁当や惣菜、腐った野菜や果物。これらは単に不快なだけでなく住人自身そして近隣住民の健康と安全を脅かす極めて危険な存在となります。ゴミ屋敷に堆積した生ゴミはまず強烈な「悪臭」の発生源となります。食品が細菌によって分解される過程で硫化水素やアンモニア、アミン類といった吐き気を催すほどの腐敗臭を発生させます。この臭いは部屋中に充満し壁や床、家具に深く染み付くだけでなく建物の隙間から外部に漏れ出し近隣トラブルの最大の原因となります。次に深刻なのが「害虫・害獣の温床」となることです。腐った生ゴミはゴキブリやハエ(特にコバエ)にとって最高の餌場でありそして繁殖場所です。これらの害虫は食中毒菌などを媒介し衛生環境を著しく悪化させます。またネズミなどの害獣も生ゴミの臭いに引き寄せられ家の中に巣食うようになります。ネズミは感染症の原因となるだけでなく電気コードをかじり火災を引き起こす危険性もはらんでいます。さらに見過ごせないのが「健康への直接的な影響」です。腐敗した生ゴミの周辺では目に見えない無数のカビの胞子や細菌が空気中に浮遊しています。これらを吸い込むことでアレルギー性鼻炎や気管支喘息、あるいは重篤な呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。また腐敗した食品から染み出した液体は床材を腐食させ建物の耐久性を損なう原因ともなります。このようにゴミ屋敷の生ゴミは悪臭、害虫、病原菌そして建物の劣化という複合的な問題を引き起こす、まさに「悪の根源」とも言える危険な存在なのです。